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館山市

館山市の人口減少スピードは速い?遅い?近隣市町と比べてみた

 

南房総市に暮らしていると、館山市はすぐ隣。
車で国道127号を北へ進めば、イオンタウン館山で買い物ができて、館山駅のあたりを通り抜け、気がつけば北条海岸の潮の香りがしてくる。
渚の駅たてやまに観光客が集まる週末もあるし、城山公園の館山城も、いつ行っても画になる。

なのに、人口のことを考え始めると、どうも空気が変わる。
雰囲気としては賑やかなのに、なぜか「減っているのでは」と思ってしまう。その違和感が今回の出発点だった。

ということで、今回考えてみたいのはこれ。
館山市の人口減少スピードは、千葉県全体の中で見て、速いのか遅いのか。

県平均との比較にとどまらず、周辺の市町村や、全国で人口規模が近いまちとも並べながら、自分なりに答えを探ってみる。

 

館山市の人口減少スピードは速いのか?ひとまずの答えを置いてみる

現時点での結論に近い感触を先にまとめておく。

千葉県全体と比べれば、館山市の人口減少スピードは速い側。(館山市の人口と世帯数
だけど、房総南部の他のまちと比べれば、最も急というわけではなく、むしろ中間くらい。
同じくらいの人口規模のまちで見ると、北海道の北斗市と近く、愛知県の弥富市よりは明らかに減少が速い。

この見方がどう生まれたか、数字と肌感の両方から掘ってみる。

 

館山市の人口減少率をどう測るか 5年間の変化に注目してみた

まず基準がないと比較できないので、ここでは国勢調査の2015年から2020年までの5年間を使う。
人数の増減ではなく、減少率で見ることで規模の違いを越えて比べやすくなる。

館山市のデータはこんな感じ。

2015年:47,464人
2020年:45,153人

5年間でざっくり4.9パーセントの減少。
この数字を手がかりに、県全体・周辺の市町村・そして人口が近い他のまちと比べてみる。

 

千葉県全体と比べた館山市 人口減少スピードの位置は?

千葉県全体の人口は、2015年から2020年にかけてわずかに増加。
つまり、県全体がまだ微増だった期間に、館山市は約5パーセント減っている。

この段階ですでに、館山市は「県平均より速く減っているまち」と言える。
ただ、ここでひとつ補足が要る。

千葉県は地域ごとの差がかなり大きい。
東京寄りのベイエリアや鉄道沿線都市は人口が増えやすく、逆に房総半島の南側は減少が進みやすい傾向がある。

つまり館山市は、地理的にそもそも「減りやすい場所」にいる。
この時点で、ある程度の減少は織り込まれていたとも言える。

とはいえ、館山は単なる周縁ではない。
富津館山道路や館山バイパス、国道127号・410号といった幹線道路があり、観光スポットも多く、医療や行政の拠点でもある。

拠点性があることで、減少スピードがやや抑えられている可能性もある。
だから、県全体との比較だけで「減り方が速い」と言い切るのは、やや雑だと感じている。

 

周辺市町村と比べたときの館山市 人口減少スピードの立ち位置

次は、生活圏としての比較に切り替える。
南房総市・鴨川市・鋸南町といった周辺市町村と館山市を比べてみるとこうなる。

館山市 約4.9パーセント減
鴨川市 約5.3パーセント減
南房総市 約8.2パーセント減
鋸南町 約12.8パーセント減

この並びを見ると、館山市は南房総市や鋸南町よりは減少が緩やかで、鴨川市とは似たような傾向。
周辺市町の中では中間に位置する。

その理由として、仮説をひとつ立ててみる。
館山市は、周辺から人を吸い寄せる構造を持っている。

例えば、安房地域医療センターは南房総市や鋸南町からも通院・通勤の人が来る。
イオンタウン館山も、買い物の終点になりやすい。
行政手続きや移動においても、館山市が中心になっている場面が多い。

ただし注意点として、これらは「通う人」が増えているだけで、「住む人」が増えているわけではない。
定住人口を下支えするには弱い。だから「人口減少を完全に防ぐ」まではいかないというのが実感だ。

 

館山市と北斗市の人口減少スピード比較 規模は似ていて傾向も近い

今度は全国的に見て、人口規模が近い北海道の北斗市と比べてみる。(全国市町村人口ランキング
どちらも人口4万人台で、都市圏からやや離れた立ち位置。

2015年〜2020年の5年間で
北斗市は約4.5パーセント減
館山市は約4.9パーセント減

ほぼ同じペースで減っている。

ただ、背景は違うと思っている。
北斗市は函館に近いとはいえ、北海道全体の人口減少がとにかく強い。広域の影響が直撃する。
一方の館山市は、千葉県全体は微増している中での局所的な減少。
つまり、北斗市は外からの圧力、館山市は内側の構造の問題かもしれない。

 

館山市と弥富市の比較 人口規模は同じでも減り方に大きな差

もうひとつ、愛知県の弥富市とも比べてみた。
弥富市も人口規模はほぼ同じ。ただし減少率にはっきり差がある。

2015年〜2020年で
弥富市は約0.6パーセント減
館山市は約4.9パーセント減

この差の原因は明快かもしれない。

弥富市は名古屋圏のど真ん中に近く、通勤・雇用ともに選択肢が多い。
館山市は東京圏に含まれていても、実質的な通勤圏かどうかは微妙。
富津館山道路があっても、毎日往復する距離としてはハードルが高い。

都市圏へのアクセスの良し悪し。
それが人口定着にじわじわ効いてくると感じている。

 

館山市の人口減少スピードに影響する要因 交通・観光・医療・商業の存在

最後に、数字では測れない日常の要素に目を向けてみたい。

交通の話をすれば、富津館山道路と国道127号は人を動かす導線になる。
観光資源も豊富で、北条海岸、沖ノ島、館山城、渚の駅たてやまと、季節を問わず人を集めている。
医療施設としての安房地域医療センターの存在は、館山を拠点とした通院・雇用を生む。
商業面でも、イオンタウン館山や幹線沿いの大型店舗が集まっている。

これらの要素は、周辺市町村よりも「人を集める力」が強い。
だからこそ、減少スピードが極端に速くはならずにすんでいる。
ただ、東京圏から距離があるという地理的な不利は、依然として残っている。
この両面が混在しているのが、館山市の現在地だと感じている。

 

館山市の人口減少スピードは速いのか?個人的なまとめ

千葉県全体と比較すれば、館山市は確かに減少スピードが速い。
一方で、南房総市や鋸南町と比べればそこまで急ではなく、減り方としては中間くらい。
北海道の北斗市と似た傾向を見せつつも、愛知の弥富市とはかなり差がある。

つまり、館山市は「県全体から見れば速い」「周辺と比べれば普通」「都市圏との距離が影響している」といった三層構造の中にいるように見える。

北条海岸の夕暮れに人が集まる風景と、人口減少の現実。
そのふたつが同時に存在しているところに、このまちの輪郭がある。
私はそう感じながら、この場所の変化を見ている。

 

 

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館山市   2025/11/19   南暴走人